非住宅は住宅と違い、建物自体に多種多様な用途が存在しています。
オフィスビルや商業施設などが非住宅としては身近ですが、
施設を利用する人数の違いや居室の大きさや使い方などによっても、
BELSの評価基準は異なります。
また、大規模な建築物では、1つの建物に住宅やオフィス、
商業施設など、複合建築物となっているため、
評価方法が非常に複雑になります。
非住宅のBELS(ベルス)の評価対象部分
非住宅のBELSを評価するにあたっては、
様々な観点を踏まえた評価が必要とされます。
建物全体での評価だけでなく、フロア毎やテナント区画毎、共有部のみなど、
任意の部分だけで評価することも可能となっています。
大型開発案件の場合には、非住宅と住居の用途が混在していることがしばしばで、
不動産所有者の権利も区画毎に設定されていることが多くあります。
そのため、所有者の意向に応じ、個別でもBELS認定を行えるように、
評価方法も工夫されています。
評価対象単位 | 評価対象 |
建物 | 非住宅のみの建築物全体 |
フロア | 非住宅の任意の階(建築物全体が1フロアの非住宅用途である場合を除く) |
テナント | 任意の店舗等部分(建築物全体が1つの店舗等である場合を除く) |
部分 | 複合建築物の非住宅部分全体 |
任意の部分(上記評価対象を除く) |
非住宅のBELSの評価(星)の捉え方
BELSの評価は、評価対象建築物が
標準仕様の建築物のエネルギー消費量と比べて、
「どの程度エネルギーを削減することができたのか」により、星の数で評価されます。
評価 | 基準値からの削減率 | |
非住宅 用途1 ※1 | 非住宅 用途2 ※2 | |
☆☆☆☆☆ | 40%以上+α (BEI<0.6) | 30%以上+α (BEI<0.7) |
☆☆☆☆☆ | 40%以上 (BEI:0.6) | 30%以上 (BEI:0.7) |
☆☆☆☆ | 30%以上40%未満 (BEI:0.7) | 25%以上30%未満 (BEI:0.75) |
☆☆☆ | 20%以上30%未満 (BEI:0.8) | 20%以上25%未満 (BEI:0.8) |
☆☆(国が定める基準) | 0%以上20%未満 (BEI:1.0) | 0%以上20%未満 (BEI:1.0) |
☆(既存建築物の基準) | 10%増加 (BEI:1.1) | 10%増加 (BEI:1.1) |
※2 ホテル・病院・百貨店・飲食店・集会所等
なお、省エネ基準の10%オーバー(1.1)までは星がつく仕様になっています。
非住宅は用途によって基準が違う
さらに非住宅は「用途1」と「用途2」で、
設定されているエネルギー削減率が異なります。
用途1の建築物とは、利用者が特定されており、
比較的人の出入りが少ない建物を示します。
具体的には、事務所等、学校等、工場等です。
一方で用途2の建築物は、不特定多数の人が出入りし、
外気が常に建物内に入ってくる建物を指します。
具体的には、ホテル等、病院等、百貨店等、飲食店等、集会所等です。
用途2の建築物の方が空調負荷が高いため、
BELSの基準を若干緩めて、星の獲得基準を下げています。