相見積もり必須!省エネ計算の外注をスムーズに進めるためのポイント

省エネ基準の適合義務化により、新築・改修工事では省エネ計算が必要不可欠になっています。しかし、専門的な知識やソフトウェアが必要なため、多くの建築設計事務所や工務店では外注を検討するケースが増えています。
ただし、省エネ計算の外注は業者ごとに料金や対応範囲が異なり、適切な業者を選ぶことが重要です。本記事では、相見積もりを活用しながら、省エネ計算の外注をスムーズに進めるためのポイントを詳しく解説します。

省エネ計算の外注を検討する前に

省エネ計算を外注する前に、以下の点を整理しておくとスムーズに進められます。

どの基準で計算が必要かを明確にする

省エネ計算には、以下のような基準が存在します。

建築物省エネ法(住宅・非住宅の基準)
ZEH(ゼロ・エネルギー・ハウス)基準
CASBEE(建築環境総合性能評価システム)
BELS(建築物省エネルギー性能表示制度)

プロジェクトによって求められる基準が異なるため、どの計算が必要なのかを明確にしておきましょう。

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成果物の提出期限を明確にする

省エネ計算の結果は確認申請の一部となるため、提出期限を事前に確認し、スケジュールに余裕を持たせることが重要です。特に、外注する場合は業者の納期を考慮して発注する必要があります。

必要な図面や情報を準備する

スムーズな計算を進めるために、以下の情報を可能な限り準備しておくとよいでしょう。

■確認申請書(1~5面)
■意匠図一式:PDF・CADデータ
・付近見取図
・配置図
・仕様書(断熱仕様の記載があるもの)
・建物求積図
・平面図、立面図、断面図・平面詳細図・断面詳細図
・外部建具表、建具リスト
■構造図一式:PDF
・一式
■設備図一式:PDF
・照明計画図、器具表(住宅の場合、ユニットバスの照明仕様がわかる資料)
・空調計画図、機器表
・換気計画図、機器表
・給湯計画図、機器表

これらの情報を整理しておくと、業者とのやり取りがスムーズになります。

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なぜ相見積もりが必要なのか

代行会社(外注業者)によって、料金やサービス内容、納期、対応範囲が大きく異なります。そのため、相見積もりを取ることで、適正価格やサービスの質を比較し、最適な業者を選ぶことができます

相見積もりのメリット

コストの適正化 相場を把握し、不適切な高額請求を避けられる
納期の比較 早く対応できる業者を選べる
対応範囲の把握 提案内容やサポート体制を比較できる
交渉材料として利用 他社の見積もりを提示することで、価格交渉や追加サービスの依頼がしやすくなる
業者の信頼性をチェック 代行会社の対応スピードや見積もりの精度を通じて、信頼できるパートナーかどうかを判断できる

相見積もりを取らなかったことで発生したトラブル

事例1、相場より高額な計算費用を支払うことになった

設計事務所が特定の代行会社1社のみに依頼したところ、同規模案件の相場(数万円~十数万円)よりも大幅に高い費用で発注してしまった。

結果:他社に依頼していれば同等の精度で半額近くの金額で済んだことが後から判明し、コストの無駄が発生。
原因:比較対象がなかったため、費用の妥当性を判断できなかった。

事例2、納期が遅れても代替手段がなく工期全体に影響

住宅の建築確認申請に必要な省エネ計算を1社にのみ依頼。ところが担当者が繁忙期で納品が遅れ、確認申請自体が後ろ倒しに。

結果:着工が遅れ、引き渡し時期が数週間延期。施主との契約調整や信頼関係にも悪影響。
原因:相見積もりで複数候補を確保していなかったため、代替できる委託先がなかった。

事例3、計算の誤りを見抜けず誤った設計判断に進んでしまった

ある工務店が1社だけに外注した省エネ計算をそのまま信用し、断熱仕様を決定。しかし後から別案件で別会社に相談した際に、以前の計算に誤り(入力条件の見落とし)があったことが判明。

結果:既に工事が進んでおり修正ができず、住宅性能評価で基準未達扱いに。補助金も受けられなくなった。
原因:複数の計算結果を比較・検証する機会がなく、誤りを発見できなかった。

相見積もりを取らなかったことで起きやすい典型的なトラブルを3つご紹介しました。以下の事を注意して相見積りを確実に取得しましょう。

価格面 → 高額でも気づけず支払ってしまう
納期面 → 遅延時に代替がなく工期全体に影響
品質面 → 計算ミスをチェックできず誤った設計へ

業者選定のポイント

過去の実績と専門知識 省エネ計算の経験が豊富で、対応する建物の種類に応じた適切な計算ができるか確認する。
使用するソフトウェア どの計算ソフト(例えばエネルギー消費性能計算プログラム)が使用されるかを把握し、求める基準に適合するかを確認する。
対応範囲の明確化 省エネ計算だけでなく、申請業務や修正対応など、どこまでサポートしてくれるかをチェックする。
納期とスケジュール管理 適切な納期を確保できる代行会社を選定し、スケジュールの変更にも柔軟に対応できるかを確認する。
アフターサポートの有無 申請後に修正が必要になった場合の対応を確認し、追加費用の有無を把握する。
契約条件の透明性 追加料金の発生条件や支払い条件を明確にし、トラブルを未然に防ぐ施策をとる。
レスポンスの速さ 見積もり依頼時や質問への対応が迅速かどうかを確認し、スムーズに連携できる代行会社を選ぶ。
他社との比較検討のしやすさ 複数の業者を比較し、コストパフォーマンスだけでなく、技術力や対応力も重視する。
計算方式や特殊な建物 標準的な計算だけでなく、特殊な建物条件に対応できるかも確認する。
第三者評価の活用 過去のクライアントの評価や口コミを参考にし、信頼性の高い業者を選定する。

まとめ

省エネ計算における相見積もりは、コストを抑えつつ質の高いサービスを選ぶために欠かせません。同じ図面・条件でも事務所ごとに計算手法やサポート範囲、提出書類の精度が異なり、価格差も大きく出ることがあります。
複数の見積もりを比較することで、適正価格の把握だけでなく、納期やアフターフォロー体制、経験値なども確認可能です。結果として安心して発注でき、建築確認の遅延リスクを回避しつつ、より確実で効率的な省エネ計算を実現できます。
信頼できる代行会社と協力しながら、スムーズな省エネ計算の進行を目指しましょう。

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省エネ計算や、建築確認申請は専門的な知識と経験が必要とされます。
設計事務所様や建築家様で省エネ計算や省エネ適合性判定、その他助成金申請等でお悩みの方は、ぜひ「エネカル」をご利用ください。「エネカル」のプロから最大15社からサクッと最短1日で見積もりが届きます。

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