審査機関でちょっと文句を言ったら即アウト?? ~省エネ計算の審査担当者と揉めても得しない理由と、本当に困った時の対処法~

このニュースをざっくり説明すると…

「省エネ適合性判定やBELS申請では、審査機関の担当者と意見が食い違うことがあります。しかし、感情的に反論したり言い争いになったりしても、審査が早く進むことはほとんどありません。むしろ質疑が増え、申請期間の長期化や工期遅延につながるケースもあります。

一方で、担当者による過剰な資料要求や判断のばらつきなど、本当に困る事例が存在するのも事実です。そのような場合は感情で対応するのではなく、メールなどで記録を残し、法令や技術基準を確認したうえで、必要に応じて責任者へ相談することが重要です。申請業務で最も大切なのは担当者に勝つことではなく、案件を円滑に進めることです。冷静な対応こそが、結果的に時間と利益を守る最善策といえるでしょう。

はじめに

省エネ適合性判定やBELS、住宅性能評価、長期優良住宅などの申請業務に携わっていると、一度はこう思ったことがあるのではないでしょうか。

「その指摘、本当に必要ですか?」
「前回は通ったのに、なぜ今回はダメなの?」
「担当者によって言うことが違うじゃないか。」

特にスケジュールが厳しい案件や、建築主から急かされている案件では、審査機関からの質疑に対してストレスを感じることも少なくありません。

実際、設計事務所や工務店の担当者からは、

「審査担当者と口論になった」
「電話で強い口調になってしまった」
「理不尽な指摘に納得できない」

という話を耳にすることがあります。
しかし結論から言うと、審査担当者と感情的に対立しても得をすることはほとんどありません。
一方で、本当に問題のある対応や、行き過ぎた嫌がらせとも取れる行為が発生するケースもゼロではありません。

今回は、省エネ計算の実務現場で起こり得るトラブル事例を交えながら、審査担当者との付き合い方と、本当に困ったときの対処法について解説します。

なぜ審査担当者と揉めても得をしないのか

審査担当者は「敵」ではありません。
まず理解しておきたいのは、審査担当者は申請を落とすために仕事をしているわけではないということです。
彼らの役割は法令や技術基準に基づいて審査を行い、適合しているかを確認することです。
設計者側からすると、

「また質疑が来た」
という感覚になりますが、審査担当者からすると、

「基準を満たしていることを確認したい」
という業務を行っているだけの場合が大半です。

もちろん担当者によって経験値や判断基準に差はあります。
しかし感情的に反論したところで、その案件が早く終わるわけではありません。
むしろ逆効果になることが多いのです。

一度こじれるとやり取りが長期化する

実務上よくあるのが、

「その指摘は不要では?」
という問い合わせが、

「いや必要です」
「いや不要でしょう」

という議論に発展するケースです。

最初は技術的な議論だったものが、徐々に感情論へ変わっていきます。
すると審査担当者も慎重になります。
慎重になるということは、確認項目が増えるということです。
結果として、

質疑が増える

回答に時間がかかる

再確認が発生する

さらに時間がかかる

という負のループに陥ります。
当初は「早く終わらせたい」という目的だったにもかかわらず、逆に審査期間が延びてしまうのです。

「勝った」と思っても実際は負けている

審査担当者との議論に勝ったとしても、案件全体で見れば得をしていないことがあります。
例えば、
「その指摘は法的根拠がない」

と主張し、最終的に撤回させたとします。
しかしその過程で、
電話対応3回 メール10往復 資料作成2時間
が発生したとしたらどうでしょう。
設計者の人件費を考えれば、その時点で十分に損をしています。
重要なのは相手を論破することではなく、最短距離で申請を通すことです。

実際にあった審査トラブル事例

ケース1:担当者によって判断が変わった

ある共同住宅案件で、前回と同じ仕様・同じ計算方法で申請を行ったところ、
「前回は問題なかった内容」に対して質疑が入りました。
申請者は納得できず、
「前回は通っています」と主張しました。

しかし審査担当者の回答は、
「今回は今回です」というものでした。

結局、追加資料を提出したところ数日で解決しました。
もしこの段階で感情的になっていたら、さらに長引いていた可能性があります。

ケース2:電話で激しく口論になった

別の案件では設計担当者が審査機関へ電話し、
「そんな指摘は聞いたことがない」
と強い口調で抗議しました。

結果として担当者との関係が悪化し、その後の質疑対応がすべてメールになりました。
電話なら5分で終わる確認事項も、

メール

返信待ち

再確認

となり、審査期間が大幅に延びました。
最終的に適合判定は取得できたものの、建築主からは
「なぜこんなに時間がかかったのか」
と指摘を受ける結果になりました。

本当にあった「嫌がらせでは?」と思うケース

明らかに過剰な資料要求が、まれにあります。
省エネ計算とは直接関係が薄い資料を何度も求められるケースです。
もちろん確認のために必要な資料もあります。

しかし、
提出済み資料を再提出させる 既に説明済み事項を繰り返し質問する 根拠が曖昧なまま追加資料を要求する
というケースも現実には存在します。この場合は諦めるしかないでしょう。今後この審査期間は避けるべきです。

担当者ごとに言う事が違う

電話ではOKと言われたのに、
メールではNG。
担当者Aは問題なしと言ったのに、
担当者Bは問題ありと言う。
こうしたケースは全国的にも珍しくありません。
法改正直後や制度変更直後は特に発生しやすい傾向があります。

また、異常にレスポンスが遅い場合もあります。
通常であれば数日で返ってくる回答が、何週間も返ってこない。
問い合わせても進捗が分からない。
これは担当者の業務量の問題であることもありますが、場合によっては対応品質の問題である可能性もあります。

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本当に困った時の対処法

感情ではなく記録を残す

最も重要なのは証拠を残すことです。
電話だけでやり取りを続けると、

「言った」 「言わない」
の話になります。
可能な限りメールで記録を残しましょう。

例えば、
「本日お電話でご説明いただいた内容について確認させていただきます」
という形でメールを送るだけでも大きな効果があります。

法令や技術基準を確認する

感覚で反論してはいけません。
重要なのは、法令、告示、技術的助言、審査マニュアル等の根拠です。

「なぜその指摘が必要なのか」

を冷静に確認しましょう。
意外と担当者側が勘違いしているケースもあります。

上席者へ相談する

どうしても解決しない場合は、
「担当者を変えてほしい」
と言うのではなく、

「判断について責任者のご意見も伺いたい」
という形で相談するのが効果的です。
多くの審査機関には責任者や管理職がいます。
冷静に相談すれば改善するケースもあります。
何度も言うようですが絶対に”感情的”になってはいけない事が重要です。

他の審査機関へ相談する

確認申請や省エネ適判では複数の審査機関が存在する地域もあります。
他機関へ相談すると、

「その解釈は珍しいですね」
という意見をもらえることがあります。
もちろん進行中案件の審査を無理に変えることはできませんが、今後の判断材料になります。

プロが実践している上手な付き合い方

「教えてください」の姿勢を取る

経験豊富な設計者ほど、
「なぜですか?」
ではなく、

「勉強のため教えてください」
という聞き方をします。

不思議なことに、この一言だけで相手の態度が柔らかくなることがあります。
人は否定されると防御的になります。
しかし相談されると協力的になります。

最終目的を忘れない

申請業務のゴールは、審査担当者に勝つことではありません。
適合判定を取得することです。
建築主に迷惑をかけないことです。
現場を止めないことです。
その視点で考えると、多少納得できない質疑であっても、
対応した方が早いケースが圧倒的に多いのです。

省エネ計算代行会社が重宝される理由

最近では設計事務所や工務店が省エネ計算代行会社へ依頼するケースが増えています。
その理由の一つが質疑対応です。
省エネ計算そのものよりも、審査機関とのやり取りに時間を取られることが多いからです。

例えば、
・断熱仕様の説明
・一次エネルギー計算の根拠説明
・設備機器の性能確認
・計算条件の説明

などは、慣れていない担当者にとって大きな負担になります。
一方で年間数百件対応している代行会社であれば、
「その質疑ならこう回答する」
というノウハウが蓄積されています。

結果として、
・設計者は本来の設計業務に集中できる
・審査機関はスムーズに確認できる
・建築主は早く許可を取得できる

という好循環が生まれます。

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それでも理不尽な担当者に当たったら(泣)

どの業界にも残念ながら相性の悪い担当者は存在します。orz=3
しかし経験上、本当に避けるべきなのは「感情で対抗すること」です。
担当者に問題がある場合ほど、

・冷静に
・丁寧に
・証拠を残しながら

対応する必要があります。
メールの文章一つを見ても、「前回も説明しましたよね?」「ちゃんと見てますか?」
より、

「恐れ入りますが、改めてご確認いただけますでしょうか。」
の方が圧倒的に有利です。

第三者が見た際に、どちらが冷静だったかが分かる状態を作ることが重要です。
特に管理職や責任者が介入した際、この差が大きく影響します。

本当に怖いのは「担当者」ではなく「工期遅延」
設計者が最も避けたいのは担当者との口論ではありません。
本当に怖いのは工期遅延です。

・確認申請が遅れる。
・省エネ適判が終わらない。
・着工日がずれる。
・建築主からクレームが入る。
・現場が止まる。

最終的な損失は数万円どころでは済みません。
だからこそ優秀な代行会社や計算担当者ほど、

「正しいかどうか」
も重要ですが、

「どうすれば最短で終わるか」
を考えています。

審査担当者と戦うより、うまく付き合う。
その方が結果として利益も時間も守れるのです。

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