CASBEEの対象となる建物は?

CASBEEには、評価する対象のスケールに応じた評価ツールが用意されています。

戸建住宅が対象の「住宅系」、

戸建住宅以外の全ての建物が対象の「建築系」、

対象建物を含む街全体が対象の「街区系」、

自治体そのものが対象の「都市系」と、大きくジャンルが分かれています。

ジャンルごとの評価ツールは、

『住宅・建築』では、CASBEE-戸建、CASBEE-住戸ユニット、

CASBEE-建築(新築)、CASBEE-建築(既存、改修)、

CASBEE-インテリアスぺース、CASBEE-HI(ヒートアイランド)、

CASBEE- 短期使用、CASBEE- ウェルネスオフィス、CASBEE-不動産、

『街区・都市』では、CASBEE-街区、CASBEE-都市などがあります。

出典: 一般財団法人 住宅・建築SDGs推進センター HPより

CASBEE建築(新築)の評価対象建築物

CASBEE-建築(新築) は、戸建住宅を除く全ての用途に適用可能となっています。

対象となる用途については、

「非住宅系用途」と「住宅系用途」の大きく二つに区分しており、

特に「住宅系用途」に区分される病院、ホテル、集合住宅は、

利用者の住居・宿泊空間(以下<住居・宿泊部分>)を含む建築物です。

これら、住宅系用途の建築物の評価は、

「住居・宿泊部分」とそれ以外の共用部分(以下<建物全体・共用部分>)とに分けて行います。

用途区分用途分類含まれる用途
非住宅系用途事務所事務所、庁舎、郵便局など
学校小学校、中学校、高等学校、大学、高等専門学校、専修学校、各種学校など
物販店百貨店、マーケットなど
飲食店飲食店、食堂、喫茶店など
集会所公会堂、集会場、図書館、博物館、ボーリング場、体育館、劇場、映画館、ぱちんこ屋、展示施設など
工場工場、車庫、倉庫、観覧場、卸売市場、電算室など
住宅系用途病院病院、老人ホーム、身体障害者福祉ホームなど
ホテルホテル、旅館など
集合住宅集合住宅(戸建ては対象外)

用途分類は省エネルギー基準で用いられる8用途(工場含む)、

及び集合住宅で、戸建て住宅は対象外となっています。

なお、工場については

Q1室内環境とQ2「1.機能性」の評価では主に居住エリア(事務所等)を評価の対象として、

生産エリアは評価対象外とします。

LR1エネルギーの評価では、

エネルギー消費性能基準で計算対象外となる工場の生産エリアにおけるエネルギー消費は

評価対象外となります。

CASBEE-戸建の評価対象

CASBEE-戸建(新築)では、

「一戸建専用住宅」と「二世帯住宅(確認申請上の専用住宅で内部で行き来できる場合)」を

対象としており、CASBEE戸建-既存では、「一戸建専用住宅」のみを対象としています。

どちらも、戸建住宅の環境に係わる性能を、「総合的に」評価するものです。

そのため評価の対象は、建物本体に限らず、

外構、居住者の持ち込み機器、建物供給側から居住者への情報提供、

更には部材製造段階や施工現場における取組みまでを含み、総合的に行われます。

CASBEE-不動産の評価対象建物

CASBEE-不動産の評価対象は、

竣工後1年以上経過した既存建築物です(評価には1年以上の運用実績データが必要です)。

建物用途は、オフィス、店舗、物流施設(それらの複合用途を含む)に限定されています。

CASBEE-ウェルネスオフィスの評価対象建物

CASBEE-ウェルネスオフィスは、

事務所をその主たる評価対象建物用途としています。

複合用途ビルの場合は、主に事務所用途の部分を対象として評価を行います。

ビル内での評価の範囲はワークプレイスのみでなく、

共用部も含めたビル全体(事務所用途部分全体)となります。

なお、複数フロアが評価対象の場合、

評価は主要なエリアもしくは基準階などの代表的な階、

エリアにより行うことも可能です。


またCASBEE-ウェルネスオフィスを事務所以外の他の用途建物で利用する場合は、

その建物で働くワーカーが利用する事務所部分やその共用部を対象として評価できます。

CASBEE-街区の評価対象建物

評価対象プロジェクトの「対象区域」の考え方として、

仮想境界の設定に際し、

そのベースとなるべき一団の空間の広がり(もしくは境界線)の意味で

「対象区域」として表しています。


CASBEE-建築の場合は、

対象区域=当該プロジェクトの建築敷地(敷地境界)として、

街区/地区スケールの場合は複数の建築敷地や非建築敷地も含み得ることから、

「統一的な整備意思」を最も端的に反映して、

客観的に認識しやすい対象区域設定の原則を、以下のように定めています。

  1. CASBEE-街区において、評価すべきプロジェクトの区域設定は、原則として当該プロジェクトの計画・整備に適用されている各種法令・制度・手法等で定められた計画区域・事業区域等とする。
  2. ここで適用が考えられる制度・手法として、市街地再開発事業、土地区画整理事業、都市再生特別地区、各種の地区計画、エコまち法による集約都市開発事業、一団地の総合的設計、連坦建築物設計制度、等がある。
  3. ただし例外として、街区/地区スケールでの総合的環境性能評価の観点から妥当と判断される場合には、上記の区域外の隣接部分を評価対象範囲に取り込むことや、逆に上記の区域の一部を評価対象範囲から除外することも可能である。本項例外を適用する場合、評価者はその設定理由を明示しなければならない。

CASBEEは上記のほかにも、その建築物のスケールや、

街区に合った評価ツールが多数用意されています。
ツールにより評価ポイントや、評価結果が異なるので、

評価対象に合った評価ツールで評価することが大切です。

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