既存住宅の省エネ性能を“見える化”するBELS改修評価とは?

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はじめに

住宅の「省エネ性能」は、これまで専門家や設計者しか把握できない情報でした。しかし、近年は一般の住宅オーナーや購入希望者が、住宅のエネルギー性能を客観的に理解できるようにする「見える化」の仕組みが整いつつあります。その中心的な制度が「BELS(建築物省エネルギー性能表示制度)」です。この記事では、既存住宅のBELS評価の仕組みや取得メリット、改修によってどのように評価が変わるのかを詳しく解説します。

BELS(ベルス)とは?

BELSとは、「Building-Housing Energy-efficiency Labeling System」の略で、建築物の省エネ性能を★(星)1〜5の段階で評価・表示する制度です。国土交通省が推進する第三者認証制度であり、住宅やオフィスビルなどあらゆる建物を対象に、省エネ性能を客観的に見える化します。BELSは新築住宅だけでなく、既存住宅にも適用できる点が特徴です。改修によって性能がどの程度向上したかを、数値で示すことが可能です。

BELSの評価基準と星の意味

BELSの評価は、建築物の「一次エネルギー消費量(冷暖房・照明・給湯など)」を基に算出されます。基準値に対してどれだけ省エネ化されているかを評価し、以下のように★の数でランク付けします。

評価ランクBEI(建築物エネルギー消費性能指標)※評価の目安
★★★★★0.80以下最高水準の省エネ性能(ZEHレベル)
★★★★0.81〜0.85優れた省エネ住宅
★★★0.86〜0.90基準値を上回る性能
★★0.91〜1.00省エネ基準レベル
1.00超現行基準を下回る性能

※ BEI値(Building Energy Index)は、建物がどれだけ効率的にエネルギーを使うかを示す指標で、数値が小さいほど省エネ性能が高いことを意味します。

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既存住宅でのBELS評価の流れ

既存住宅でBELS評価を受ける場合、以下のような手順を踏みます。

① 現況調査:設計図書や現地調査によって、断熱材・窓・設備の性能を確認
② エネルギー計算:一次エネルギー消費量を算出(冷暖房・給湯・照明など)
③ 評価申請:BELS認証機関(第三者機関)に申請し、評価書を発行
④ 改修計画:BELS評価結果をもとに断熱・設備改修の改善点を特定
⑤ 改修後再評価:改修後の性能を再計算し、星の数の変化を確認

BELS改修による性能向上の実例

実際に断熱改修や高効率設備を導入した住宅では、BELS評価が2〜3ランク向上する事例も珍しくありません。以下はその一例です。

改修前ランク改修内容改修後ランク主な改善ポイント
★★(BEI=0.95)窓交換(Low-E複層ガラス)・断熱材追加★★★★(BEI=0.83)熱損失の大幅削減
★★★(BEI=0.88)エコキュート+高効率エアコン導入★★★★★(BEI=0.78)設備効率の改善

改修後のBELS評価を取得することで、省エネリフォームの成果を第三者機関が公的に証明する形となります。

BELS評価を取得するメリット

BELS評価を受けることで得られる主なメリットは次の通りです。

住宅の資産価値向上→評価書があることで、売却や賃貸時に信頼性が高まる
・補助金・優遇制度の対象→省エネ改修補助金の申請で評価が必要な場合がある
・光熱費削減の可視化→性能を数値で把握できるため、改善計画を立てやすい
・環境配慮型住宅としてのPR効果→企業やオーナーが環境意識を示す指標として利用できる

BELSは、住宅性能評価や長期優良住宅制度とも親和性が高く、今後は不動産取引における“スタンダード”になると考えられます。

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BELS評価の申請費用と期間

BELS評価は国の登録を受けた第三者機関が行います。主な認証機関には、一般社団法人住宅性能評価・表示協会、日本ERI株式会社などがあります。評価費用は住宅の規模や構造により異なりますが、概ね以下の通りです。

住宅タイプ評価費用の目安(税込)評価期間(目安)
戸建住宅(100㎡程度)約8〜15万円2〜4週間
集合住宅(1戸)約5〜10万円2〜3週間
改修後再評価約5万円〜1〜2週間

BELS評価書はA4サイズの公式書面として発行され、建物に貼付するラベルも併せて交付されます。このラベルには、星の数・BEI値・省エネ性能が一目で分かるように表示されます。

BELSと今後の住宅政策の関係

国は2030年までに新築住宅の平均でZEH水準(BELS★★★★★相当)の省エネ性能を実現する目標を掲げています。既存住宅についても、BELS評価を通じて改修の促進を図る動きが強まっており、評価制度の普及は「脱炭素社会」に向けた住宅政策の柱のひとつです。BELS評価を取得している住宅は、自治体による固定資産税減額や補助金の優遇対象になる場合もあります。

BELSで住宅の省エネ性能を“資産価値”に変える

BELSは、単なるエネルギー評価制度ではなく、住宅の品質と価値を「見える化」する新しい基準です。既存住宅でも、改修によって星の数を上げることができ、その結果として住宅の市場価値や快適性が向上します。
今後、住宅取引やリフォーム市場で「BELS評価付き」が当たり前になる時代が訪れるでしょう。
省エネ化の第一歩として、まずは自宅のエネルギー性能を数値で把握することから始めてみてください。

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