いつから基準が追加されるのか?
2025年(令和7年)4月から、基準が追加になります。
どんな基準なのか?
木造の構造基準(壁量計算・柱の小径)が追加されます。
対象建築物は?
ZEH水準等の木造建築物が対象
- ZEH水準等とは ZEH、ZEH-M、ZEBの建築物
ZEHもZEBも、太陽光などの再生可能エネルギーを取り入れ、エネルギーの収支バランスが実質ゼロの省エネ性能の高い建築物になります。
ZEHは戸建、ZEH-Mはマンション、ZEBは一般建築物に使います。
太陽光発電を設置することで固定荷重が増えます。
それに対して新たに必要な壁量・基準を設定します。
注:2025年4月に義務化される木造住宅の省エネ基準は対象外。あくまでその上位のZEH水準等が対象のみ。
追加される壁量・柱の小径の内容は?
壁量計算は大きく3つの方法があります。
引用:国土交通省サイト
① 精緻な方法を追加 式は(Ai・Co・Z・Rt・Σwi)/(Qo ・Afi)
(仕様等の組み合わせに応じて必要な壁量が簡易に把握できる計算例(早見表)を活用する予定)
② 壁量計算の表に新たにZEH水準等の基準を追加
③ 構造計算により安全を確認する場合は、壁量計算は省略可能
①は式を見ると身構えますが、早見表次第ではそこまで時間がかからないかもしれません。
実際は②を使う人が大半でしょう。今までの表をそのまま使えるので楽だと思います。
③は今までは構造計算していても壁量計算が必要だったのですが、それを省略できるように改正しました。
②の表の案(枠組壁工法も別途定めています)
引用:国土交通省サイト
①も定数がある程度与えられているので、 層せん断力分布係数(Ai)×0.2×1.0×1.0×Σwi(固定荷重+積載荷重+積雪荷重+ルート)÷0.0196×階の床面積(Afi) によって計算します。
Ai=1+{(1+√ai)-ai}×2T(1+3T)
T:固有周期=0.03h
h:建築物の高さ(m)
荷重関係がわかればそんなに難しくはなさそうです。
柱の小径の見直しは2つ
引用:国土交通省サイト
① ZEH水準等の基準を追加
② 構造計算(柱の座屈検討)により安全を確認した場合、柱の小径検討は省略可能
①の表の案
引用:国土交通省サイト
添付図書は?
確認申請の添付図書も増えます。
構造図全て追加されるわけではありません。
上記の壁量と柱の小径をチェックできる【仕様表】、基礎・地盤説明書を添付すれば、伏図、軸組図の添付は省略できそうです。
日本建築防災協会の補足ページ
国土交通省のサイト
建築:木造建築物における省エネ化等による建築物の重量化に対応するための必要な壁量等の基準(案)の概要の公表について – 国土交通省 (mlit.go.jp)
2025年4月は省エネ法以外も設計業務が増えます。