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建築物を新築・増改築する際には、必ず「建築確認申請」が必要となります。
しかし、その手続きは専門的な知識や経験を要するため、多くの方が専門業者に代行を依頼するのが一般的です。ところが、代行業者の選定を誤ると、余計なコストや工期の遅れ、法的なトラブルに発展することも少なくありません。
本記事では、建築確認申請を代行する業者の選び方や注意点、よくあるトラブルとその対処法について詳しく解説します。
だれでも建築確認申請の代行ができるわけではない
建築確認申請は、建築基準法に基づく法的な手続きです。そのため、一定の専門知識がなければ適切に申請書類を作成・提出することはできません。
代行を行えるのは、主に以下のような専門職に限られます。
•一級建築士・二級建築士
•建築設計事務所
•建設会社(設計部門がある場合)
•行政書士(申請手続きの一部を担当)
特に建築士は、設計図面の作成から法規の確認、申請先との調整まで一貫して行えるため、代行業者としてもっとも適任とされています。一方で、上記のような専門職に依頼する場合、料金が高い場合も多くあります。
比較的割安な料金でも建築確認申請を行える「建築確認申請代行業者」の利用も検討してみるのもよいでしょう。業者に依頼する場合、専門家に比べ、申請が受理されない、設計に不備が見つかるなどのリスクも高めであるため、料金だけで業者を比較するのではなく、実績、知識やサービス内容を細かく確認することが重要です。
一般的な代行費用
建築確認申請の代行費用は、建物の規模や用途、地域、設計の複雑さによって異なりますが、目安として以下のような相場が存在します。
建物の種類 | 一般的な代行費用(税別) |
木造2階建て住宅 | 約10万円〜20万円 |
中規模な共同住宅 | 約20万円〜50万円 |
商業施設(店舗など) | 約30万円〜80万円 |
工場・倉庫など | 約25万円〜60万円 |
また、これに加えて建築確認申請自体の「確認申請手数料」(建築主が直接支払う)が別途必要です。手数料は建築面積・用途によって自治体や指定確認検査機関が定めており、数万円〜数十万円かかることがあります。
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建築確認申請を代行した時にトラブル事例
建築確認申請代行を依頼することで手間は大幅に軽減されますが、すべてが順調にいくとは限りません。以下は実際に起きたトラブル事例です。
設計ミスにより申請が却下
依頼した代行業者が設計内容に関する知識が浅く、建ぺい率の計算を誤った結果、確認申請が却下されました。再申請に時間がかかり、工期が1か月遅延。
必要書類の不備で再提出
確認申請に必要な添付資料(隣地境界確認書)が漏れていたため、申請が差し戻された。
結果として、着工許可が予定より2週間遅れた。
代行業者が無資格だった
低価格に惹かれて依頼した業者が、実は建築士資格を持っておらず、設計図も法的に有効なものではなかった。最終的に別の建築士を再手配する羽目に。
代行費用の追加請求トラブル
「追加費用なし」との説明だったのに、途中で「図面修正費用」や「修正申請費用」として追加請求が発生。事前に契約書をしっかり確認していなかったため、支払いを強いられた。
施主の意向が伝わっていなかった
設計内容を業者に任せきりにしていたため、施主の希望とは異なる仕様で確認が下りてしまった。建築内容を修正するため再度確認申請を行い、数十万円の追加費用が発生してしまった。
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建築確認申請を代行する際の注意点
建築確認申請を代行依頼する際には、注意点は大きく5つあります。
1、資格の有無を確認する
最も基本的なことですが、建築士資格を持っているか、所属事務所が登録されているかを確認しましょう。
2、過去の実績を見る
これまでに何件の確認申請を代行しているか、得意な建物の種類などを聞いておくと信頼度が分かります。経験値が高いことが重要なポイントとなります。ホームページなどをチェックしてどのような実績があるのかをチェックしましょう。
3、業務範囲を確認する
申請書類の作成だけでなく、質疑対応や再提出、設計変更時の対応までカバーしているかを契約前にきっちりと確認しましょう。
4、費用の明確化
見積書に「すべて込み」か、「追加費用の可能性あり」かが明記されているかチェックしましょう。修正、変更が発生した際、都度費用が発生していては、費用面のメリットがなくなってしまいます。
5、施主との打ち合わせを重視する業者かどうかを確認する
ヒアリングを丁寧に行い、施主の希望を反映した設計・申請ができる業者を選ぶことが大切です。案件をしっかりと把握してもらえるか、スムーズな代行ができるかどうかを見極めるポイントになります。
詳しくはこちらの記事もご覧ください。
もしトラブルが発生したら
万が一、建築確認申請の代行でトラブルが発生した場合、いくつかの解決策が考えられます。
まず最初に行うのは、契約内容の見直しです。まずは契約書や合意書を確認し、どの業務範囲が業者側の責任であったのかを整理しましょう。明確に記載されていれば、費用請求の根拠を否定できる場合もあります。
もし、無資格者による業務だった場合、地域の建築士会や行政(建築指導課など)に通報・相談することで、業者への指導や罰則が行われることもあります。このような場合には、建築士会や行政に相談してみましょう。また、別の専門家にセカンドオピニオンを依頼することも有益です。
業者の明らかな過失により金銭的・時間的損失が生じた場合、内容証明郵便などを用いて損害賠償請求を行うことが可能です。そのような場合は、必要に応じて弁護士又は、第三者機関の力を借りましょう。工期に影響がある場合は、工期の再調整と関係者への説明を行う必要があります。
まとめ
建築確認申請は、建築物の安全性や法令適合性を確保するための重要なステップです。その手続きを外部に委託する場合、業者の選定次第で成功も失敗も決まると言っても過言ではありません。
トラブルを避けるためには、資格・実績・契約内容をしっかり確認することが第一です。また、依頼後もコミュニケーションを密に取り、任せきりにしない姿勢がトラブル防止につながります。
安心して家づくりを進めるためにも、信頼できる代行業者と出会うことが何よりの鍵となるでしょう。
建築確認申請は、実績豊富な「エネカル」のプロ達に相談しましょう
建築確認申請は、専門的な知識と経験が必要とされます。
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