建物の省エネ性能はどうやって証明する?性能を示すことができる手続きについて解説

2050年のカーボンニュートラルに対応すべく、日本でもロードマップが定められました。2030年までに新築建築物の省エネ性能の平均を、高い水準であるZEH・ZEB水準に到達させるなど、様々な施策が計画されています。

建築物の省エネ性能に対する意識が高まりに伴い、それを証明する手続きの重要性も高まっています。この記事では建築物の省エネ性能を証明する手続きについてご紹介します。

省エネ性能とは

建築物の省エネ性能は、「外皮性能」と「一次エネルギー消費性能」に区分できます。この内、外皮性能は「外皮平均熱貫流率UA」と「冷暖房期の日射熱取得率ηAC・ηAH」に区分されます。また、建築物の省エネ性能の評価においては、その用途によって「住宅」と「非住宅」に分類されます。

戸建住宅や共同住宅・寄宿舎等が住宅に分類され、それ以外の用途は非住宅に分類されます。法律上、両者共通で一次エネルギー消費性能の基準が定められている他、住宅においては外皮性能の基準も定められています。

確認済証と省エネ適合判定通知書

一部の例外を除き、建築工事の着手の前に建築確認の申請を提出して確認済証の交付を受ける必要があります。そして2017年には省エネ基準への適合義務制度が定められました。

このことにより、大規模非住宅建築物は建築確認の申請を完了させるために、省エネ適合性判定の申請を提出し、省エネ適合判定通知書の交付を受けることが求められました。

幾度にもわたる法改正で、省エネ基準への適合義務対象は拡大し、2025年4月以降は一部の例外を除くすべての建築物は、建築工事の着手前に省エネ適合判定通知書と確認済証の交付を受ける必要があります。しかしながら、交付される成果物である省エネ適合判定通知書や確認済証には、申請建築物の省エネ性能は表示されません。あくまで、省エネ基準に適合することを示す様式であることが理由です。

省エネ性能を示すことができる手続き

手続きの成果物で一次エネルギー消費性能や外皮性能を示すためには、建築確認や省エネ適合性判定ではなく、別の手続きを踏む必要があります。代表的な手続きはBELS(ベルス)になります。最終的に交付されるBELS評価書には、一次エネルギー消費性能や外皮性能が数値で表示されるため、一目で建築物の省エネ性能を示すことができます。

基準適合のみを示す省エネ適合判定通知書や確認済証と比べ、具体的な性能値が表示されるため、省エネ計算もより細かくすることが求められがちです。

例えば非住宅建築物の省エネ計算の方法には「モデル建物法」と「標準入力法」がありますが、BELS評価書を取得するための省エネ計算では、より精緻な計算方法である標準入力法が用いられがちです。

このような計算方法はルールも細かく、建築技術者でも慣れていないと非常に難しく感じる代物となっています。標準入力法をはじめとした省エネ計算は、その道のプロにお任せすることをお勧めします。

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