Contents
- 1 はじめに
- 1.0.0.1 ◇省エネ
- 1.0.0.2 ◇省エネ住宅
- 1.0.0.3 ◇創エネ
- 1.0.0.4 ◇畜エネ
- 1.0.0.5 ◇再エネ
- 1.0.0.6 ◇省エネ法
- 1.0.0.7 ◇省エネ性能
- 1.0.0.8 ◇省エネ基準
- 1.0.0.9 ◇誘導基準
- 1.0.0.10 ◇所管行政庁
- 1.0.0.11 ◇適合義務
- 1.0.0.12 ◇届出義務
- 1.0.0.13 ◇説明義務
- 1.0.0.14 ◇住宅トップランナー制度
- 1.0.0.15 ◇性能向上計画認定
- 1.0.0.16 ◇設計一次エネルギー消費量
- 1.0.0.17 ◇基準一次エネルギー消費量
- 1.0.0.18 ◇BEI
- 1.0.0.19 ◇BELS
- 1.0.0.20 ◇誘導基準一次エネルギー消費量
- 1.0.0.21 ◇外皮
- 1.0.0.22 ◇外皮基準
- 1.0.0.23 ◇UA
- 1.0.0.24 ◇強化外皮基準
- 1.0.0.25 ◇住宅性能表示制度
- 1.0.0.26 ◇開口部
- 1.0.0.27 ◇ηA値
- 1.0.0.28 ◇ηAC
- 1.0.0.29 ◇ηAH
- 1.0.0.30 ◇断熱等性能等級
- 1.0.0.31 ◇一次エネルギー消費量等級
- 1.0.0.32 ◇PAL*
- 1.0.0.33 ◇ZEH
- 1.0.0.34 ◇ZEB
- 1.0.0.35 ◇長期優良住宅
- 1.0.0.36 ◇低炭素住宅
- 1.0.0.37 ◇カーボンニュートラル
- 1.0.0.38 ◇カーボンハーフ
- 1.0.0.39 ◇脱炭素
- 1.0.0.40 ◇LCCM住宅
はじめに
これまで、「省エネ法」や「省エネ住宅」について投稿してきましたが、なかには分かりにくいものや、「そもそも解説用語が分からない!」というものもあったかもしれません。 そこで今回は、省エネについてさらに理解を深められるよう、住宅の省エネ関連用語を解説していきます。
◇省エネ
「省エネルギー」の略称。エネルギーを効率的に使うこと。
◇省エネ住宅
「省エネルギー住宅」の略で、国が定める「建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律」(通称「建築物省エネ法」)の基準を満たしている「エネルギー消費の少ない住宅」のこと。(さらに詳しく!)
◇創エネ
エネルギーを創ること。家庭で太陽光等の再生可能エネルギーを用いて行う発電などを指す。
◇畜エネ
エネルギーを蓄えること。昼間に太陽光発電でつくったエネルギーを蓄電池に貯めて、夜間や災害時に使用する等。
◇再エネ
「再生可能エネルギー」の略称。石油や石炭等の化学エネルギーではなく、太陽光・風力・地熱等の自然界に常に存在するエネルギーのこと。住宅に取り入れやすい代表的なものとして太陽光発電が注目されている。
◇省エネ法
一般的には1979年に制定された「エネルギーの使用の合理化等に関する法律」のこと。建築業界では、建築物に関する規定を抜粋して詳細に作られた「建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律」通称「建築物省エネ法」を指すことが多い。
◇省エネ性能
建築物省エネ法で定められた「エネルギー消費性能」のこと。一定の条件で使用した際に消費されるエネルギーを基準とし、どれだけ省エネになるかを評価する。
◇省エネ基準
建築物省エネ法で定められた「建築物エネルギー消費性能基準」のこと。建物が備えるべき省エネ性能を確保するために必要な、構造・設備に関する基準。「外皮の性能基準」と「一次エネルギー消費量基準」という2つの基準でできている。
◇誘導基準
建築物省エネ法で定められた「建築物エネルギー消費性能誘導基準」のこと。建築物エネルギー消費性能を超え、かつ建築物のエネルギー消費性能向上の一層の促進のために誘導すべく定められた基準のこと。
◇所管行政庁
建築主事を置く市町村の区域については市町村長、その他の市町村の区域については都道府県知事のこと。
◇適合義務
省エネ基準に適合させなければならない。現状では大・中規模の非住宅のみ該当。法改正により、2025年には全ての建築物に適合義務が課せられる予定。(さらに詳しく!)
◇届出義務
基準達成は不要だが、外皮性能・省エネ性能の計算を行い、届け出なければならない。現状では大・中規模の住宅が該当。
◇説明義務
省エネ基準について、設計者から建築主への説明をしなければならない。2021年から小規模の住宅・非住宅が該当。
◇住宅トップランナー制度
一年間に一定戸数以上の住宅を供給する事業者等に対し、国が、省エネ基準を超える水準の基準(トップランナー基準)を定め、新たに供給する住宅について、その基準を平均的に満たすことを努力義務として課す制度。
◇性能向上計画認定
建築物省エネ法に定められた誘導基準に適合している場合に取得できる認定。(さらに詳しく!)
◇設計一次エネルギー消費量
実際の建築の設備の条件で算定した一次エネルギー消費量。
◇基準一次エネルギー消費量
床面積や設備の条件で定められた、基準となる一次エネルギー消費量。
◇BEI
一次エネルギー消費量の指標。「設計一次エネルギー消費量」を「基準一次エネルギー消費量」で割って求める。数値が小さいほど、省エネ性能が高い。
◇BELS
建築物の省エネ性能について評価・認定する制度。BEI値によって5段階で評価し、「★」の数1~5で表示する。BEI≦0.80が「★★★★★」で最高ランク。
◇誘導基準一次エネルギー消費量
建築物エネルギー消費性能誘導基準となる一次エネルギー消費量。
◇外皮
住宅の窓や外壁等、建物を囲う外側の部分のこと。
◇外皮基準
外皮の表面積あたりの熱の損失量の基準値。「外皮平均熱貫流率(UA値)」と「平均日射熱取得率(ηAC値)」の2つの数値で判断する。
◇UA
外皮平均熱貫流率。室内と外気の熱の出入りのしやすさの指標で、住宅の内部から外部へ逃げる熱損失を外皮面積で割って求める。数値が小さいほど、断熱性能が高いことを意味する。全国を8つの区域に分けて基準数値が定められている。
◇強化外皮基準
ZEHに適合するための、外皮平均熱貫流率(UA値)の数値の基準。(さらに詳しく!)
◇住宅性能表示制度
消費者が良質な住宅を安心して取得できるように、第三者機関が住宅の性能について評価し、その「性能評価」を表示するしくみ。 「性能評価」「性能表示」等とも言われる。(住宅性能評価・表示協会HPはこちら)
◇開口部
窓や出入口など。
◇ηA値
平均日射熱取得率。住宅にどれくらいの日射熱が入るかを表した数値。数値が小さいほど、日射が入りにくく、遮蔽性能が高いことを意味する。季節によって日射の強さや太陽高度が異なるため、冷房期と暖房期の2つがある。
◇ηAC
冷房期の平均日射熱取得率。冷房期の日射熱取得量を外皮面積で割って求める。外皮性能の基準で全国を8つの区域に分けて基準数値が定められている。
◇ηAH
暖房期の平均日射熱取得率。暖房期の日射熱取得量を外皮面積で割って求める。基準は無い。
◇断熱等性能等級
「断熱等級」と略されることも。「住宅性能表示制度」の項目、「温熱環境・エネルギー消費量」を表す等級のひとつ。外壁や窓の断熱化等による省エネルギー対策の程度を表す。(さらに詳しく!)
◇一次エネルギー消費量等級
「一エネ等級」と略されることも。「住宅性能表示制度」の項目、「温熱環境・エネルギー消費量」を表す等級のひとつ。住宅で使用する電気・灯油・都市ガスなどの二次エネルギーを、石油・石炭・天然ガスなどの一次エネルギーに換算してどれくらい消費したかを表す。(さらに詳しく!)
◇PAL*
‘非住宅’の外皮基準の指標。各階のペリメーターゾーンの年間熱負荷をペリメーターゾーンの床面積の合計で割って求める。
◇ZEH
「net Zero Energy House(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)」の略。家庭で使用するエネルギーと、太陽光等で創るエネルギーを合わせて、エネルギー収支を実質ゼロ以下にする家。(さらに詳しく!)
◇ZEB
「net Zero Energy Building(ネット・ゼロ・エネルギー・ビルディング)」の略。エネルギー収支を実質ゼロ以下にするビル。
◇長期優良住宅
長期にわたり良好な状態で使用するための措置が講じられた優良な住宅のこと。(さらに詳しく!)
◇低炭素住宅
二酸化炭素の排出の抑制に資する建築物のこと。
◇カーボンニュートラル
温室効果ガスの排出を実質ゼロにすること。‘実質ゼロ’というのは、二酸化炭素等の温室効果ガスの「排出量」から、植林や森林管理等による「吸収量」や「除去量」を差し引いて、合計を正味ゼロにするという意味。(さらに詳しく!)
◇カーボンハーフ
温室効果ガス排出量50%削減。
◇脱炭素
二酸化炭素の排出量ゼロの実現。
◇LCCM住宅
ライフサイクルでCO2 排出量をマイナスにする住宅。