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【フラット35】Sは、住宅金融支援機構と民間金融機関が提携して提供する【フラット35】の中でも、特に優れた住宅性能を有する住宅を対象とした金利優遇制度です。通常の【フラット35】よりも一定期間金利が引き下げられるため、住宅購入を考えている人にとっては非常に魅力的な選択肢となります。本記事では、【フラット35】Sの概要や対象となる住宅の条件について詳しく解説します。
【フラット35】Sの金利優遇制度
【フラット35】Sでは、住宅の性能に応じて以下の3種類の金利優遇が適用されます。
【フラット35】S(ZEH)
借入開始から5年間、金利が引き下げられる。(0.75%)【フラット35】S(金利Aプラン)
借入開始から5年間、金利が引き下げられる。(0.5%)【フラット35】S(金利Bプラン)
借入開始から5年間、金利が引き下げられる。(0.25%)
※金利引き下げ幅は2025年3月31日までお申し込みの場合。なお、【フラット35】Sと長期優良住宅の組み合わせで金利引き下げ幅がさらに拡大します。
【フラット35】Sの毎月の返済額・総返済額の試算
【試算例】借入額3,000万円(融資率9割以下)、借入期間35年、元利均等返済、ボーナス返済なし、借入金利年1.80%の場合
【フラット35】 | 【フラット35】(ZEH) | 【フラット35】S(金利Aプラン) | 【フラット35】S(金利Bプラン) | |
借入金利 | 全期間 年1.80% | ・当初5年間 年1.05% ・6年目以降 年1.80% | ・当初5年間 年1.30% ・6年目以降 年1.80% | ・当初5年間 年1.55% ・6年目以降 年1.80% |
毎月の返済額 | 全期間 96,327円 | ・当初5年間 85,386円 ・6年目以降 94,811円 | ・当初5年間 88,944円 ・6年目以降 95,330円 | ・当初5年間 92,591円 ・6年目以降 95,835円 |
総返済額 | 40,457,296円 | 39,255,206円 | 39,655,280円 | 40,056,060円 |
【フラット35】 との比較(総返済額) | – | ▲1,202,090円 | ▲802,016円 | ▲401,236円 |
【フラット35】S(ZEH)なら【フラット35】より総返済額が約120万円お得です
【フラット35】S(金利Aプラン)なら【フラット35】より総返済額が約80万円お得です
【フラット35】S(金利Bプラン)なら【フラット35】より総返済額が約40万円お得です
【フラット35】Sの対象となる住宅性能
フラット35Sの対象となる住宅は、以下の4つの性能基準のいずれかを満たしている必要があります。
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【フラット35】S(金利Aプラン)
次表の(1)から(5)までのうち、いずれか1つ以上の基準を満たす住宅であること。
省エネルギー性 | (1)断熱等性能等級5以上の住宅で、かつ、一次エネルギー消費量等級6の住宅 (認定低炭素住宅および性能向上計画認定住宅を含む) |
耐震性 | (2)耐震等級(構造躯体の倒壊等防止)3の住宅 (3)免震建築物 |
バリアフリー性 | (4)高齢者等配慮対策等級4以上の住宅(共同建て住宅の専用部分は等級3でも可) |
耐久性・可変性 | (5)長期優良住宅 |
【フラット35】S(金利Bプラン)
次表の(1)から(5)までのうち、いずれか1つ以上の基準を満たす住宅であること。
省エネルギー性 | (1)一次エネルギー消費量等級6の住宅※ (2)断熱等性能等級5以上の住宅※ |
耐震性 | (3)耐震等級(構造躯体の倒壊等防止)2以上の住宅 |
バリアフリー性 | (4)高齢者等配慮対策等級3以上の住宅 |
耐久性・可変性 | (5)劣化対策等級3の住宅で、かつ、維持管理対策等級2以上の住宅(共同建て住宅などについては、一定の更新対策が必要) |
※別途、【フラット35】の断熱構造等に関する基準を満たす必要があります。
中古住宅の場合の技術基準
【フラット35】S(金利Aプラン)
次表の(1)から(7)までのうち、いずれか1つ以上の基準を満たす住宅であること。
省エネルギー性 | (1)断熱等性能等級4以上の住宅で、かつ、一次エネルギー消費量等級6の住宅 (2)断熱等性能等級5以上の住宅で、かつ、一次エネルギー消費量等級4以上の住宅※1 |
耐震性 | (3)耐震等級(構造躯体の倒壊等防止)2以上の住宅 (4)免震建築物 |
バリアフリー性 | (5)高齢者等配慮対策等級3以上の住宅 |
耐久性・可変性 | (6)長期優良住宅(維持保全計画認定※2も含む。) (7)劣化対策等級3の住宅で、かつ、維持管理対策等級2以上の住宅(共同建て住宅などについては、一定の更新対策が必要) |
※1 認定低炭素住宅および性能向上計画認定住宅については、令和4年度に改正の認定基準に適合し認定を受けたものに限ります。
※2 維持保全計画認定とは、増改築行為を伴わない優良な既存住宅の認定をいいます。
【フラット35】S(金利Bプラン)
次表の(1)から(3)までのうち、いずれか1つ以上の基準を満たす住宅であること。
省エネルギー性 | (1)開口部断熱(窓に二重サッシまたは複層ガラスを使用した住宅)※1 (2)外壁等断熱(断熱等性能等級2相当以上の住宅)※2 |
バリアフリー性 | (3)高齢者等配慮対策等級2以上の住宅 |
*中古住宅の【フラット35】S(金利Bプラン)は、「耐震性」および「耐久性・可変性」の基準はありません。
※1 トイレ、浴室、脱衣室および洗面所の窓、天窓、玄関等のドアのガラス部分は除きます。
※2 【フラット35】を利用して建設(新築住宅の購入を含みます。)された住宅で、住宅の断熱構造について新築時から変更がないものも対象になります。
【フラット35】Sの適用条件
【フラット35】Sの対象となる住宅を購入するためには、以下の条件を満たす必要があります。
住宅の新築・中古の区分
【フラット35】Sは新築住宅だけでなく、中古住宅にも適用されます。ただし、中古住宅の場合は耐震性や省エネ性の基準を満たしているか確認が必要です。適用される基準を満たしていない場合は、リフォームや改修によって基準を満たすことが求められることもあります。
住宅面積
住宅の規模にも条件が設定されています。
一戸建て住宅・連棟住宅:70㎡以上
マンション(共同住宅):30㎡以上
また、床面積が一定以上であっても、住宅の一部が非住宅用途(例えば事務所や店舗)に利用される場合には、住宅部分の割合に応じた条件が適用されるため、注意が必要です。
技術基準適合証明書の取得
【フラット35】Sを利用するためには、対象となる住宅が【フラット35】Sの基準を満たしていることを証明する「技術基準適合証明書」を取得する必要があります。証明書の取得手続きは、指定された適合審査機関が審査を行い、住宅の性能が適合していることを確認した上で発行されます。
新築住宅の場合:建築中または完成時に審査を受ける。
中古住宅の場合:購入前または購入時に審査を受ける必要がある。
この証明書を取得しなければ、フラット35Sの金利優遇を受けることができないため、購入の際には事前に適合状況を確認しておくことが重要です。
【フラット35】Sの申請手続き
【フラット35】Sを利用するための申請手続きは以下の手順で行います。
- 【フラット35】Sの対象となる住宅を選定
- 金融機関で事前審査を申し込む
- 技術基準適合証明書を取得
- フラット35Sの正式な申し込みを行う
- 住宅購入資金の融資を受ける
詳しくはこちら
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【フラット35】Sのメリット・デメリット
メリット
- 金利引き下げによる総支払額の軽減
- 通常のフラット35よりも総支払額を抑えることができる。
- 低金利期間の恩恵を受けることで、家計の負担を軽減できる。
- 省エネ、耐震性が高い住宅の取得が可能
- 長期的な光熱費の削減や、安全な住環境を確保できる。
- 資産価値の向上
- 【フラット35】Sの対象となる高性能住宅は、将来的な売却時にも高評価を受けやすい。
- 中古住宅でも利用できる
- 中古住宅でも基準を満たせば適用可能で、リノベーションと組み合わせることでより快適な住環境を実現できる。
デメリット
- 対象となる住宅が限られる
- 一定の性能基準を満たさないと適用されないため、選択肢が狭まる。
- 希望するエリアや価格帯の物件がフラット35Sの基準に合わない場合がある。
- 技術基準適合証明の取得が必要
- 証明取得の手続きが煩雑で、時間と費用がかかる。
- 場合によっては追加の工事が必要になる可能性がある。
- 初期費用の増加
- 省エネ性や耐震性を高めるためのコストが増える場合がある。
- 長期的にはコスト削減につながるが、初期費用を考慮する必要がある。
まとめ
【フラット35】Sは、省エネ性や耐震性、バリアフリー性に優れた住宅を取得する際に大きなメリットをもたらす制度です。特に、長期的に住宅ローンを返済することを考えたときに、金利の引き下げによるコスト削減は大きな魅力となります。
一方で、対象となる住宅の基準が厳しいため、事前に十分な確認が必要です。住宅購入を検討している方は、【フラット35】Sの条件を満たす物件を選び、計画的に申し込みを進めることをおすすめします。【フラット35】Sを上手に活用し、より快適で安心できる住まいを手に入れましょう。
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