
2017年4月1日より、「建築物省エネ法」の規制措置が施行されました。
施行にともなって、建築主が特定建築行為(新築・増改築)をするときは、その工事に着手する前に建築物エネルギー消費性能確保計画(以下「省エネ計画」)を所管行政庁又は登録建築物エネルギー消費性能判定機関(以下「登録省エネ判定機関」)に提出し、省エネ基準に適合しているかの適合性判定を受けることが義務化されました。
建築物の設計内容を元に、国が定める省エネ基準に適合しているかを、省エネ判定機関が判定することを「省エネ適合性判定(省エネ適判)」と呼びます。
この適合判定を受けることは、300㎡以上の非住宅建築物の新築等において義務化されており、確認申請には省エネ適合判定通知書が必要になります。この「省エネ基準」に適合していなければ、建築基準法の確認済証や検査済証の交付を受けることができません。

「一般社団法人住宅性能評価・表示協会 HP」より引用
適合義務(適合性判定)の対象について
適合義務(適合性判定)の対象になる特定建築行為は以下のものです。
・特定建築物(非住宅部分の床面積が300㎡以上)の新築
・特定建築物の増改築(増改築する部分のうち非住宅部分の床面積※が300㎡以上※のものに限る)。
・増築後に特定建築物となる増築
(増築する部分のうち非住宅部分の床面積が300㎡以上※のものに限る)。
※外気に対して高い開放性を有する部分を除いた部分の床面積
ただし、2017年4月1日時点で現存する建築物については、「非住宅に係る増改築部分の床面積の合計」が「増改築後の特定建築物(非住宅部分に限る)に係る延べ面積」の一定割合(1/2)以下の場合 (特定増改築)は、適合義務(適合性判定)の対象となりませんが、届出が必要となります。
適合基準となる省エネ基準は「一次エネルギー消費量の基準」のみ
適合義務の対象となる省エネ基準は、一次エネルギー消費量の基準のみです。一次エネルギー消費量とは、「空調設備」「機械換気設備」「照明設備」「給湯器」「昇降機」のエネルギー消費量を合計して算出したものになります。評価対象となる建物において、実際の建物の設計仕様で算定した一次エネルギー消費量が、標準仕様で算定した基準以下になることが基本となります。
省エネ法(エネルギー使用の合理化等に関する法律)で用いられていた外皮基準(PAL*)は適用されません。しかし、一次エネルギー消費量の計算を行う上では、外皮性能に係る事項を入力する必要があるため、結果として設計において外皮性能を考慮しなければなりません。
適用される基準の詳細は、平成28 年経済産業省令・国土交通省令第1号(建築物エネルギー消費性能基準等を定める省令)及び関連告示に定められています。
登録省エネ判定機関について
省エネ判定を行うのは、「登録省エネ判定機関」です。「登録省エネ判定機関」とは、適合性判定を行う者として国土交通大臣又は地方整備局長等の登録を受けた民間機関です。
建設地の所管行政庁が、登録省エネ判定機関に適合性判定の業務を委任している場合には、これらの機関で適合性判定を受けることが可能です。各所管行政庁の委任状況は、インターネット上で調べることができます。
関連記事
省エネ適合性判定なら実績豊富な「エネカル」の専門家に相談しましょう
建築物省エネ法の改正により、建築物の省エネルギー性能の向上がますます重要になってきました。
しかし、省エネ計算や適合性判定の申請は、専門的な知識と経験が必要とされます。
設計事務所様や建築家様で省エネ計算や省エネ適合性判定、その他補助金申請等でお悩みの方は、ぜひ「エネカル」をご利用ください。「エネカル」はあなたの要望と専門家の得意をマッチングするサービスです。今すぐご利用できます。