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前回まで記事では、国の講習テキストで紹介されている小規模非住宅の図面を活用して、モデル建物法(通常版)とモデル建物法(小規模版)の計算結果の違いや、モデル建物法(小規模版)を活用した際の性能向上のポイントについて解説しました。
記事の中、比較用の計算書を一部しかお見せしていない部分がありました。「本当に同じ入力内容で計算しているのか?」と感じる方もいらっしゃると思います。今回の記事ではそんな方のために、ある情報から計算書を再現する方法【計算書の再出力の方法】を紹介します。再出力の方法を覚えて業務に活用しましょう。
計算結果の再出力とは?
計算プログラムにある情報を入力することにより、その計算書のPDFデータをダウンロードことを言います。例えばモデル建物法の場合、WEBプログラムの画面の右上の「再出力」をクリックすることで、この機能を活用できます。
出典:モデル建物法入力支援ツール
【 モデル建物法入力支援ツール (平成28年省エネ基準用) (lowenergy.jp) 】
この機能を活用することで、PDF形式の計算書データをダウンロードすることができます。
計算結果の再出力の方法
計算書を再出力する際に入力が必要な情報は2つあります。
・XML ID
・再出力コード
WEBプログラムにて、再出力をクリックした後の入力画面は、下の図の通りです。
=モデル建物法=
=標準入力法=
出典:モデル建物法入力支援ツール・標準入力法計算プログラム
【 モデル建物法入力支援ツール (平成28年省エネ基準用) (lowenergy.jp) 】
この画面でXML IDと再出力コードを入力することで、PDFデータの計算書をダウンロードすることができます。
XML IDと再出力コードの確認方法
XML IDと再出力コードは、計算書の1枚目に記載されています。

上の画像はモデル建物法の計算書ですが、標準入力法も1枚目にこれらの情報が記載されています。
・XML ID:小文字英文字と数字の組み合わせ
・再出力コード:大文字英文字と記号の組み合わせ
このため、2枚目以降の計算書がなくても1枚目さえあれば、計算書を再出力することができます。もしよろしければ、前回までの記事でご紹介した計算結果も再出力してみてください。
再出力の際の留意事項
標準入力法もモデル建物法(通常版・小規模版)も、この2つの情報を入力することで計算書のPDFデータを再出力できます。
ただし、標準入力法の計算書再出力は標準入力法のWEBプログラムでしか実行できず、モデル建物法(通常版・小規模版)の計算書再出力はモデル建物法のWEBプログラムでしか実行できません。例えば、標準入力法のWEBプログラムからモデル建物法の計算書を再出力することはできません。
計算結果の再出力が活用できる事例
計算結果の再出力を活用する事例は、2つあります。
・エラーメッセージの確認
・計算書偽造の確認
エラーメッセージの確認
計算書を再出力することで、エラーメッセージの有無を明らかにすることができます。エラーメッセージとは計算書の内、以下の図のように計算上の不具合が表示されたページとなります。

例えば紙媒体で提出された計算書など、エラーメッセージのページが除かれた状態で書類が保管されているケースがあります。特に、モデル建物法の計算書において、エラーメッセージは末尾に掲載されているため、その有無が確認しづらい特徴があります。
このようなケースにおいて、計算書を再出力することでPDF上でエラーメッセージの有無を確認できます。
計算書偽造の確認
計算書を再出力することで、入力内容の偽造を明らかにすることができます。決してあってはならないことですが、PDFの編集機能で入力内容を改変することも技術上可能です。万が一、このようなケースが発生してしまった場合、計算書の再出力で偽造の有無を確認できます。
再出力の場合は入力内容の改変は反映されないため、計算当時の状況から改変があった場合、内容の比較でそれを明らかにできます。もし疑わしいことがあれば再出力で確認ができること、頭の片隅においておくことをお勧めします。
まとめ
今回は、非住宅建築物の計算結果を再度出力する方法を解説しました。
・非住宅の省エネ計算書はPDF形式で再出力することができる
・計算書の1枚目に記載されている再出力コードとXML IDの入力によって再出力を実行できる
・エラーメッセージの内容や計算書偽造の確認に活用できる
次回は、住宅の省エネ基準を達成する容易な方法である仕様基準について解説します。お楽しみに!
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