お客様へ品質の高い住宅を提供する場合、住宅の詳細を説明できることは重要です。住宅性能評価と長期優良住宅の違い、申請時にかかる費用などは購入時に注目されるポイントになります。
住宅性能評価と長期優良住宅の違いは?申請にかかる費用
時代とともに家づくりの考え方に変化が生じており、住宅に対する要求も多岐にわたります。住宅性能評価や長期優良住宅も、お客様が住宅の質や良し悪しを見極める際の基準として参考にされることがあります。住宅の質の高さを証明するため、それぞれの概要やメリットなどをお客様にわかりやすく説明できると信頼関係の構築にもつながります。
こちらでは住宅性能評価や長期優良住宅の違い、申請時に発生する費用についてご紹介いたします。
制度・法律
住宅性能評価は住宅の性能を第三者機関が客観的に評価することで、住宅性能表示制度による評価となります。住宅性能表示制度は、品確法(住宅の品質確保の促進等に関する法律)に基づいて作られた制度であり、平成12年4月に施行されました。
一方、長期優良住宅は長年にわたり良好な状態で安心して生活を送るための認定基準を満たす住宅を指し、長期優良住宅認定制度の基準が準用されます。この制度は長期優良住宅法(長期優良住宅の普及の促進に関する法律)に基づく仕組みで、施行は平成21年6月です。
優良かつ質の高い住宅であることを証明するのはもちろん、住宅性能評価の取得や長期優良住宅の認定で住宅ローン金利の優遇措置が受けられます。
評価項目・認定基準
両者の違いとして評価項目と認定基準も挙げられます。
住宅性能評価の評価項目 | 長期優良住宅の認定基準 | |
---|---|---|
(1) | 劣化の軽減 | 劣化対策 |
(2) | 構造の安定 | 耐震性 |
(3) | 温熱環境・エネルギー消費量 | 省エネルギー性 |
(4) | 維持管理・更新への配慮 | 維持管理・更新の容易性 |
(5) | 火災時の安全 | 可変性(共同住宅等のみ) |
(6) | 空気環境 | バリアフリー性(共同住宅等のみ) |
(7) | 光・視環境 | 居住環境 |
(8) | 音環境 | 住戸面積 |
(9) | 高齢者等への配慮 | 維持保全計画 |
(10) | 防犯 | 災害配慮 |
上記のうち、(1)~(4)に関しては内容が重複している項目です。これまで両制度を利用する際はそれぞれ申請を行っていましたが、令和4年2月の法改正を受けて住宅性能評価との一体申請が可能となります。
費用や手数料について
住宅性能評価は第三者機関による評価であり、評価機関ごとに独自の費用が設定されています。長期優良住宅の認定許可を得るには様々な手順を踏み、所管行政庁へ申請します。こちらも所管行政庁ごとに手数料は異なります。また、評価機関で事前にチェックを受けたかどうかでも費用は変わります。さらに申請代行サポートを利用する場合、構造計算や省エネ計算、書類作成などの費用が加算されます。
自社で申請手続きはできるのか?
住宅性能評価や長期優良住宅の申請手続きを自社で行いたいとお考えの方も少なくありません。申請手続きは自分たちで行うことも可能です。しかし、各種申請は専門的な知識が必要です。また、建築の配置図などの図書も提出が必要です。構造計算や省エネ計算などの知識がない、人材が不足しているという設計事務所や工務店も多いでしょう。そのような場合は無理に自社で対応するのではなく、申請業務に精通した第三者のプロに代行を依頼することで、申請にかかる手間や負担軽減ができます。