建築主が特定建築物の新築・増改築をしようとするときは、
工事に着手する21日前までに、所管行政庁に「省エネ計画」を届け出ることが義務化されています。
この「省エネ計画」の届出には、届出書の他に、配置図や仕様書等が必要となり、
各種計算書も含まれます。
各種計算書とは建築物のエネルギー消費性能に係る計算となり、
これが省エネ計算です。
省エネ計算は主に建築士が行う業務になりますが、非常に手間がかかる業務です。
建築士が省エネ計算業務を行うと、
本来建築士が行うべき設計などの業務に支障が出る恐れがあります。
そこで活用されるのが、「省エネ計算の代行会社」です。
「省エネ計算の代行会社」は主に建築物省エネ法に係る、
300㎡以上の適判案件(非住宅)や届出案件(住宅・共同住宅)の
省エネ計算代行業務を専門に行っている会社が多数です。
300㎡未満の小規模住宅・建築物の、建築主への説明義務に関する
省エネ計算にも対応している代行会社もあります。
省エネ計算代行業務の内容
省エネ計算代行会社が行う、具体的な代行業務の内容をみていきましょう。
一般的な内容になるので、実際は代行会社ごとに得意分野や、
取り扱い業務が異なるので、よく調べて利用するようにしましょう。
計画書または届出書作成
図面データから、届出書・申請書を作成します。
省エネ計算及び計算結果書類・根拠図面の作成、
計画書または届出書の作成を行います。
納品形式は製本版(複数)やPDFでの納品が一般的です。
提出代行
提出代行は省エネ計算及び計算結果書類・根拠図面を作成するだけでなく、
「届出書」を所管行政庁に提出まで行います。
「計画書」は登録省エネ判定機関へ提出の上、
適合性判定書取得後、建築主に副本を納品することまで行います。
提出は直接出向く必要があるため、
全国対応している代行会社と地域を限定した代行会社があります。
代行まで利用する予定がある場合は、事前に確認してから依頼しましょう。
省エネ計算代行業務の流れ
省エネ計算代行会社に業務を依頼した場合の、
一般的な流れはこのようになります。
①省エネ計算を行う建築物の平面図・立面図・断面図等を代行業者に送り、見積もりを依頼する。
②省エネ計算代行業者に発注する。不足情報などを送る。
③省エネ計算代行業者から届出書などが納品される。審査機関へ提出する。
④【提出代行を利用した場合】省エネ計算代行業者が審査機関へ届出書を提出。
⑤【提出代行を利用した場合】省エネ計算代行業者が審査機関へ副本をもらいに行く
⑥審査機関へ副本をもらいに行く
⑦【提出代行を利用した場合】省エネ計算代行業者から副本が納品される。
提出代行まで利用すると、図面を送って、副本が納品されるのを待つだけになりますので、
省エネ計算に関わる多くの業務が軽減されます。
省エネ計算代行業は省エネ計算を専門で行っている会社ですので、
自分で計算を行うのが難しかったり、届出書を提出しに行く時間を確保するのが大変な時は、
利用してみる価値があるのではないでしょうか。